酵素は、なんとなく「いいもの」というイメージではないでしょうか?
古くは「酵素パワーのトップ」(webによるとまだ売ってるみたいです、1979年発売)とか、
「酵素入り」とgoogle検索にかけようとすると、サジェスチョンとして「青汁」「ドリンク」「食器用洗剤」「入れ歯洗浄剤」などが出てきます。
酵素とは何でしょうか? クエン酸回路のところでも出てきましたが、体の中で起こる化学反応を触媒して、化学反応を速める働きをするものです。
酵素自身は生きていません。(生き物ではない)
酵素はタンパク質からできています。(タンパク質です。RNAも酵素として働くものがあります。)
ただし、酵素はその働きを失ったしまうことがあります。(「失活」という) 酵素は触媒として最適な条件(温度とか、酸性とかアルカリ性とか)があり、極端な高温(沸騰するお湯の中)とか極端な酸性条件とか、の中では酵素の働きを失い、失活してしまう場合があります。
例えば、日本酒を作る時に、「火入れ」という作業があります。これは作ったお酒に温度をかけて(60℃とか65℃とか)酵素を働かないようにして(失活させて)、作ったお酒がこれ以上変化しないようにする作業です。(他に、日本酒を劣化させる火落菌を殺菌するという役割もあるそうです)
酵素の例
(1) ペプシン
胃の中で働いて、タンパク質を分解する役割があります。胃の中の強い酸性(胃には胃酸がある)の中でも働く酵素です。(逆に、アルカリ性、中性条件ではペプシンのタンパク質の構造が変化して、失活するそうです。)
(2) アミラーゼ(ジアスターゼ)
唾液に含まれる消化酵素。でんぷんを糖に分解する。
小学校の時、ご飯を噛んだら甘くなっていく、って授業で習った?これがご飯のでんぷんをアミラーゼが分解して、糖にしているという酵素反応。
(3) DNAポリメラーゼ (DNAポリメレース)
コロナ(COVID-19)の時に、PCRという言葉をよく聞いたと思います。
PCRに必要な、私たちの身体でも働いている酵素がDNAポリメレース(英語の発音)です。
DNAはATP, TTP, CTP, GTP という物質が、長くつながった分子です。A,T,G,Cの繋がり方、順番が遺伝情報となっています。DNAポリメレースは、DNAの端っこ(専門的には 3’末端)に鋳型のDNAに合わせて(DNAは二重らせん構造になっているので、その相手となるヌクレオチド。AならT、CならG)ヌクレオチドをくっつけて伸ばす働きがあります。
酵素の元はタンパク質ですが、酵素として働くために、金属イオンが必要となる場合があります。
wikipedia 酵素 のページによると
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%85%B5%E7%B4%A0
鉄、亜鉛、銅、カルシウム、マンガン、モリブデン、コバルト、ニッケル、セレン などが必要な金属イオンであり、補因子と呼ばれます。
なので、ミネラル補給は私たちの体の中の酵素の働きを正しく行わせるためにも必要ですね。
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